スタジオを持とうと決めた時

近所に住む私のおばあちゃんと同い年のマツコさんと約束をした

年々体か不自由になり、できないことが増え

同級生は減っていき弱りげなマツコさんに

「スタジオを建てるから、できたら絶対に写真撮るから

 それまで楽しみに待ってて。」

2024年4月11日 晴れた暖かい日の午前

約束を果たすことができた。

普段は酸素のボンベと一緒に歩いているマツコさん91歳

スタジオに来たときは元気に自分の足でしっかりと歩いてきてくれた

ちょうど隣の神社の枝垂れ桜が満開の見頃を迎え

スタジオで撮影した後に

神社に椅子を持って行き写真を撮った

マツコさんは神社に来たのは数年ぶりで

この桜を近くでちゃんと見たのは初めてと言っていた

この地に嫁いで何十年も経つのに

ゆっくり、しっかり、この場所で桜を見たことがなかったらしい

家の事、畑や田んぼで忙しい人生だったと言っていた

何度も何度も

「連れてきてくれてありがとう。」と言ってくれた

車ですぐの場所だけとマツコさん世代の方は大冒険だったよう

来年もこの場所で団子を食べながら桜を見て写真を撮ろうね

次の約束をした

帰りにマツコさんの手を繋ぐと

いつも冷えて仕方ないと言っていた手が

あったかくなってて嬉しかった

この場所にスタジオを建ててよかった